COVIV-19 mRNA ワクチン:あなたが知っておくべきこと
2019年末、新型コロナウイルスであるSARS-CoV-2が中国で見つかりました。新しいウイルスは2つの重要な特徴がありました。
- 1つめは、ヒトに感染しうること。
- 2つめは、感染者はウイルスを容易に他者に伝播しうることでした。
これらの特徴は、2020年3月までに宣言されたCOVID-19パンデミック、世界的流行をもたらしました。
ワクチンが果たす重要な役割を認識していた科学者、製薬会社、政府は、速やかにCOVID-19ワクチンの開発に取り組み始めました。かつてないスピードと偶然により、最初のワクチンは2020年12月までに準備が整いました。
ワクチンの作成には通常、数十年とまでは言わないまでも、数年を要するため、一部の人はこの短縮されたタイムラインがCOVID-19ワクチンの安全性に影響を与えることを懸念しまた。
+ mRNAとはなんですか?
mRNAはメッセンジャーRNAの略で、タンパク質を作るための設計図です。細胞の核内に存在するDNAはmRNAを作り、それを核外周囲の細胞質に送ります。
一度細胞質に入ると、mRNAは多くの細胞タンパク質と酵素に翻訳されます。私たちの細胞は常にタンパク質を作るので、mRNAも常に作ります。
タンパク質を作った直後に、mRNAは分解されます。
+ mRNAワクチンは効果的ですか?
ファイザーとモデルナの2社がmRNAワクチンを製造しています。両ワクチンは、COVID-19の予防に対して約95%効果的であることがわかりました。
この高レベルの予防効果は、65歳以上の人々、疾患の重症化リスクとなるさまざまな病状を有する人々、およびさまざまな人種的、民族的背景を持つ人々にまで及びました。
両ワクチンは2020年12月、公にリリースされました。2021〜2022年の間に、研究がこの高レベルの予防効果が続くかどうかを評価するでしょう。
+ mRNAワクチンはどのようにして効果を示しますか?
COVID-19 mRNAワクチンは、コロナウイルスタンパク質の1つ、特にスパイクタンパク質の設計図を含むmRNAを誘導することにより、タンパク質を作成する細胞の過程を巧みに利用します。 これは、コロナウイルスを私たちの細胞に付着させるタンパク質です。スパイクタンパク質に対する抗体を作ることによってウイルスと細胞の接着を防ぐことができれば、私たちは、コロナウイルスが細胞に感染するのを防ぐことができます。
SARS-CoV-2スパイクタンパク質をコードするmRNAは、樹状細胞と呼ばれる免疫系の特殊な細胞に取り込まれます。樹状細胞は、スパイクタンパク質の小片を表面に提示し、近くのリンパ節に移動し、抗体を作るための他の免疫系細胞(B細胞)を刺激します。
これが、mRNAワクチンを接種した一部の人において、接種した腕のリンパ節が腫 れる理由です。
この過程で作られた抗体が、将来のウイルス細胞の付着を防ぎます。
+ mRNAワクチンがヒトのDNAを変える可能性はありますか?
いいえ。mRNAがある人のDNAを変化させるためには、いくつかのイベントが発生する必要があります。
まず、mRNAはDNAが存在する細胞核に入る必要がありますが、mRNAは自身が核内に入ることを可能にする核アクセスシグナルを有していません。簡単に言えば、mRNAワクチンは核に入ることができません。
第二に、mRNAが核に入ったとしても、その後DNAに変換される必要があります。そのためには逆転写酵素と呼ばれる酵素が必要ですが、mRNAワクチンには含まれていません。
第三に、mRNAワクチンにはmRNAをDNAに挿入するために必要なインテグラーゼと呼ばれる酵素も含まれていません。
要するに、mRNAワクチンはDNAを変換するために必要なすべての基本的な要件を欠いています。mRNAは破壊される前に、わずか数日間、細胞質にとどまります。もう一つ覚えておくべきことは、宿主のタンパク質と酵素を作る200,000以上の細胞mRNAがあるということです。
mRNAワクチンは、わずか数コピーのmRNAを細胞内に導入します。
+ COVID-19 mRNAワクチンを接種すべきなのは誰ですか?
SARS-CoV-2ウイルスはすべての年齢層のすべての人々に影響を与える可能性があるため、ひとたび優先グループが接種可能な供給状態になったら、ほとんどの人々はCOVID-19ワクチンを接種する必要があります。
+ COVID-19 mRNAワクチンの接種をすべきでないのは誰ですか?
いくつかのグループはワクチンを接種すべきではなく、また別のグループは医師に相談するか、特別な手順に従うべきです。
COVID-19ワクチンを接種すべきでない人
リスクと利点を検討し、医療提供者と相談した後にワクチンを接種する可能性のある人
- あらゆるワクチンまたは注射薬に対する重度のアレルギーの病歴のある人
- 妊娠中の女性
- 特定の免疫不全または自己免疫状態の人
- 母乳育児中の女性
- 抗凝固剤使用中の人
特別な手順に従うべき人
- ワクチンまたは注射薬以外の(医学的介入が必要な)重度のアレルギーの既往がある人は、接種は可能ですが、ワクチン接種後30分間、ワクチン接種場所に留まって医学的観察を行う必要があります。
- 予防接種後に発熱した妊婦は、アセトアミノフェンを服用する必要があります。
- 最近COVID-19に感染し、抗体による治療法(例えば、モノクローナル抗体や回復期血漿など)で治療された人が接種を受けるためには、治療後90日まで待つ必要があります。
- COVID-19曝露が判明している人は、接種を受ける前に、隔離が終了するまで待つ必要があります(老人ホーム、刑務所、ホームレスシェルターなどのグループ環境に住んでいる場合を除きます。この場合、隔離期間中でも接種することができます)。
- 別のワクチン(非COVID-19ワクチン)を接種した人は、COVID-19ワクチンを接種する前に少なくとも14日、待つ必要があります。同様に、COVID-19ワクチンを接種した場合、他のワクチン(非COVID-19ワクチン)を接種する前に少なくとも14日、待つ必要があります。
+ COVID-19 mRNAワクチンは何回接種する必要がありますか?
mRNAワクチンは、2回の接種が必要です。
ファイザーのワクチンは、21日間隔、モデルナのワクチンは、28日間隔で接種する必要があります。2つのmRNAワクチンには互換性がありません。最善の予防効果を得るためには2回の接種が必要であるため、接種者は初回接種としてどちらを接種したかを確実に把握し、特に2回目接種のためにいつ再診すべきかを明確にする必要があります。
ただし、1回目と2回目の投与の間に推奨時間間隔を超えてしまった場合でも、接種回数を初めから再開する必要はなく、中断されたところから再開できます。
+ . 妊婦はCOVID-19mRNAワクチンを接種できますか?
妊娠中の女性は初期のCOVID-19ワクチン研究に含まれていませんでしたが、一部の参加者は妊娠をしていたにも関わらずそれを知らなかったか、研究の途中で妊娠しました。
約24人の女性がファイザーのワクチン治験中に、そして12人の女性がモデルナのワクチン治験中に妊娠していることが判明しました。その結果、我々は妊婦におけるこれらのワクチンの安全性に関するデータを、ごくわずかしか持っていません。幸い、この少数の女性グループにおいては、懸念は見られず、ワクチンは機能しましたが、今後、より多くの女性に関するデータを取得することが重要となるでしょう。
限られた情報量であるにも関わらず、米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)とアメリカ産科婦人科学会(American College of
Obstetricians and Gynecologists: ACOG)の両者は、COVID-19ワクチンの接種を推奨されているグループの一員である妊婦は、もし彼女たちがそうすることを選択した場合、接種を受けることができる、としています。
これらの女性は、医師により意思決定の取り組みを支援され、潜在的なリスクと利点に関連する情報を提供されるべきですが、彼女たちが接種することに抵抗がなければ、予防接種を受ける前に医療提供者との相談を待つ必要はありません。
これらの推奨を通知するためには、限られたワクチンデータに加え、2つの要因が重要でした。まず、医療従事者や特定の健康状態の女性など、一部の妊婦はCOVID-19のリスクが高くなります。
第二に、妊娠中の女性がCOVID-19に感染した場合、妊娠していない女性と比較して、合併症を発症するリスクが高くなります。
すべての妊娠中の女性は以下の2つのことを知っている必要があります。
- COVID-19ワクチンの接種を決定した妊婦は、妊娠中の発熱が発育中の赤ちゃんに悪影響を与える可能性があるため、ワクチン接種後に発熱した場合はアセトアミノフェンを服用する必要があります。妊娠中にアセトアミノフェンを服用することは安全であることがわかっています。
- 同様に、妊婦が接種をすることを決定したかどうかに関係なく、特にCOVID-19に感染した妊婦のリスクは増加するため、妊婦は推奨される公衆衛生対策を実践する必要があります。
+ 妊娠の予定がある場合、COVID-19 mRNAワクチンを接種できますか?
はい。妊娠しようとしている女性はワクチンを接種することができます。さらに、女性が初回接種をした後に、妊娠していることがわかった場合でも、予定通りに2回目接
種をすることができます。
+ mRNAワクチンは安全ですか?
はい。しかし、両方のmRNAワクチンはmRNAによって生成されたSARS-CoV-2スパイクタンパク質に対する免疫応答の結果として、副作用を引き起こします。副作用は2回目接種後に頻繁に発生し、55歳未満の人によく見られます。ある意味、免疫反応が活発であればあるほど、副作用は、より一般的になります。
mRNAワクチンによる最も一般的な副作用は次のとおりです。
- 倦怠感
- 頭痛
- 筋肉痛
- 微熱
- 悪寒
- 関節痛
通常、これらの副作用は1〜2日しか続きません。ほとんどの人では重大な副作用を認めませんが、一部の人は、もし気分が悪い場合、翌日仕事を休む必要がないように、予防接種スケジュールの調整を希望するとよいでしょう。
+ . mRNAワクチンにはどのような成分が含まれていますか?
mRNAワクチンには以下が含まれます。
- mRNA
mRNAは、COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の情報を含むRNAです。 - 脂質
これらは水に溶けない分子です。脂質はmRNAを保護し、私たちの細胞内に入る前に分解されないようにします。これらの脂質粒子は、小さな「脂肪の泡」のようなもので、防護壁のようにmRNAを取り囲み、mRNAが細胞に入りやすくします。 - 塩
塩は、食塩と同様、ワクチンのpHを体内のpHに近づけるために使用されます。これにより、ワクチンは接種時に細胞に損傷を与えません。 - 糖類
この成分は、あなたがコーヒーやシリアルに入れる砂糖と同じです。ワクチンにおいては、「脂肪の泡」が互いにまたはワクチンバイアルの側面に付着するのを防ぐのに役立ちます。
mRNAワクチンには以下は含まれません。
- 血液製剤
- 抗菌薬
- DNA
- 胎児細胞
- 豚肉製品
- 卵タンパク質
- 防腐剤(チメロサールなど)
+ COVID-19の罹患歴がある場合、ワクチンは必要ですか?
はい。COVID-19に感染した人は、回復した後にワクチンを接種することをお勧めします。
ファイザーのワクチン試験には、以前にSARS-CoV-2に感染したことがある人々が含まれており、ワクチンは安全で非常に効果的であることがわかりました。感染後の抗体の持続時間は不明であり、少数の人が、より重症な2回目の感染を経験しているため、ワクチンはヒトにおける感染による既存の免疫を高めるのに役立ちます。
+ COVID-19の予防接種を受けた後であっても、ウイルスを拡散する可能性はありますか?
COVID-19に対するmRNAワクチンは、疾病予防に非常に効果的であることが示されていますが、症状を伴わない感染(不顕性感染)を予防できない可能性があります。
要するに、予防接種を受けた人が症状がなくても感染した場合、彼らはウイルスを広める可能性があるということです。これが可能かどうかを判断するための調査はまもなく完了します。
しかし、この不確実性を考えると、予防接種を受けた人々は依然としてマスクを使用し、ソーシャルディスタンシング対策を実践する必要があります。