傷の種類・対処法
基本的な処置法
- 水道水やよく泡立てた石鹸でしっかり洗浄
⇒汚れや異物の除去が目的。除去できない場合には綿棒・歯ブラシを使用。(綿棒・歯ブラシでの洗浄は出血を伴う事もあり、できればクリニック・病院での処置が望ましい) - 水分をガーゼ(できれば滅菌ガーゼ)でしっかり吸収する。こすると出血する事があるため、押し当てる。
- 創部をしっかり観察し、絆創膏やキズパワーパッド等で傷を覆う。
傷薬はむやみに使用しない!!
(傷薬といっても様々。誤った使用法で障害や感染を悪化させる事がある)
傷薬はむやみに使用しない!!
よくある質問
+ 消毒は?
必要なし!皮膚の再生に必要な細胞を傷害する。(動物に咬まれた等の汚染時には消毒が効果的な場合もある)
+ 病院・クリニックへの受診は必要?
基本的には、軽度な摩過傷(擦り傷)以外は受診したほうが良い(傷の治療は、はじめが肝心!!)
- 緊急受診
止血できていない。動物に咬まれた(感染の可能性が高いため) - 早急に受診(できれば6時間以内)
皮下組織より深い傷(黄色いぶつぶつしたもの脂肪が見える傷)広い範囲の摩過傷 - 早目の受診(できれば12~24時間以内)
軽度の傷(摩過傷等)感染時のチェック目的
身近な注意すべき外傷
口の外傷
口唇外傷
走って転倒し、その際にあごを打った。その後口の中に少量の出血と唇が腫れている
- 床と上の前歯に挟まれて下唇が貫通している事が多い!!
- しっかりと観察しないとわかりにくい。そのままだと感染しやすい
- 早めにクリニック・病院でチェックしてもらう方が良い
上唇小帯切離(上唇と歯の間のすじ)・舌小帯切離(舌の裏のすじ)
受傷は上記と同じ。パッと見た感じで、口の中に出血があるが、どこからかはっきりしない。
- 基本的によく口をゆすいで経過観察。早目に受診してチェックしてもらう方が安心
舌外傷
走って転倒し、その際にあごを打った。その後口の中に少量の出血
- 上の前歯で舌を受傷している事が多い
- 舌に幅5mm以上の傷または深そうな傷を確認できたらならば早急に受診!!
(舌はもろく裂けやすい。また、受傷後に無意識のうちに前歯でこすってしまい、傷が大きくなるケースが多いため)
*時代劇の様に舌を噛んで死亡する事はない!(舌を噛む事で反射が起こり舌が喉に詰まり窒息する?)
外陰部(おまた)外傷
ブランコから飛び降りた際に棒でおまたを打った。または、自転車から降りるときにおまたを打った。
- 受傷部位(赤斜線部 図1)は、男児・女児ともに尿道(おしっこの通り道)に近い
- 見た目は大丈夫でも奥の尿道が損傷している可能性がある(怖がって見せてくれない場合でも、実際に見て受傷部位を確認する事が大事)
- 必ず排尿(おしっこ)できるか確認!!
- 排尿困難または血尿(+)の場合には、早急に受診(尿道損傷であれば緊急手術が必要な場合があり、時間との勝負!!
上肢(手・腕)の外傷
- 肘内障(ひじ関節の脱臼)
子供が転倒し、起こすために手首を急につかんで引っ張った。その後痛がって腕を動かさない。早急にクリニック・病院受診し整復(脱臼をなおす)してもらう。むやみに整復すると神経損傷や骨折を誘発する可能性がある⇒整復は必ず医療機関で施工してもらう! - 上腕骨顆上骨折・上腕骨外顆骨折
走って転倒し、その際に手をついて受傷。その後肘部分を痛がり動かせない。早急にクリニック・病院受診しレントゲン検査・処置が必要